自社サーバー版 サーバー準備ガイド
このガイドについて
自社サーバー版 セットアップガイドの「1. 前提条件」を読んで、何をどう用意すればよいか分からない方のためのガイドです。
対象読者: Linux やサーバーの構築経験がない方。上から順にそのとおり実行すれば、セットアップガイドを始められる状態になります。
このサーバーが全体構成のどこに入るか(利用者の PC・グループポリシーファイル・eCTD ストレージとの関係、必要な通信経路)は、システム構成と設置場所の図でご確認いただけます。
このガイドの前提: サーバー 1 台を新しく用意し、そこに Ubuntu Server 24.04 LTS を入れる想定で説明します。他の OS でも導入は可能ですが、本ガイドでは選択肢を増やさないため 1 つに絞っています。すでに Linux サーバーがある場合は「5. 時刻同期とディスクを確認する」から読んでください。
所要時間の目安: 実作業は半日程度。ただし後述の「社内への手配」には数日かかることがあります。
先に手配だけ出してください: DNS 登録・TLS 証明書の発行・ファイアウォールの開放は、多くの会社で他部門への依頼が必要で、返ってくるまでに時間がかかります。付録 A の依頼文例をそのまま送って、手配を先に始めてください。その間にサーバーの構築を進められます。
準備の全体像
| # | やること | 担当 | 本ガイド |
|---|---|---|---|
| 1 | サーバー本体(またはクラウド/仮想マシン)を用意する | 情報システム部門 / 購買 | §1 |
| 2 | Ubuntu Server 24.04 LTS をインストールする | ご自身 | §2 |
| 3 | サーバーの IP アドレスを固定する | ご自身(IP はネットワーク担当から取得) | §3 |
| 4 | 手元の PC からサーバーへ接続できるようにする | ご自身 | §4 |
| 5 | 時刻同期とディスク容量を確認する | ご自身 | §5 |
| 6 | Docker をインストールする | ご自身 | §6 |
| 7 | ホスト名(FQDN)を決めて DNS に登録する | DNS 管理者に依頼 | §7 |
| 8 | ポート 80 / 443 を開ける | ネットワーク管理者に依頼 | §8 |
| 9 | TLS サーバー証明書を用意する | 証明書発行担当に依頼(または自己署名) | §9 |
| 10 | 配布アーカイブとライセンスを受け取る | ご自身(弊社会員ポータル) | §10 |
| 11 | 準備完了を確認する | ご自身 | §11 |
1. サーバーを用意する
Power Viewer 自社サーバー版は、貴社が管理する 1 台の Linux サーバーで動作します。次のいずれかを用意してください。
| 用意のしかた | 向いているケース |
|---|---|
| 社内の物理サーバー | 既に社内にサーバーラックがあり、機器を追加できる |
| 社内の仮想基盤(VMware / Hyper-V / Proxmox など)に仮想マシンを作成 | 最も一般的。情報システム部門に「仮想マシンを 1 台ください」と依頼する |
| クラウド(Azure / AWS など)の仮想マシン | 社内に置ける場所がない。別途クラウド契約が必要 |
必要なスペック(これを情報システム部門に伝えてください):
| 項目 | 最小 | 推奨 |
|---|---|---|
| CPU | 2 コア | 4 コア |
| メモリ | 4 GB | 8 GB |
| ディスク | 60 GB | 100 GB 以上 |
| OS | Ubuntu Server 24.04 LTS(本ガイドの前提) | 同左 |
このサーバーは Power Viewer 専用にしてください。他のシステムと同居させると、ポート 80 / 443 の取り合いや、バックアップ・再起動の調整が必要になり運用が難しくなります。
この段階で決めておくこと(ネットワーク担当に確認):
- サーバーに割り当てる IP アドレス(例:
192.168.10.50) - サブネットマスク(例:
255.255.255.0→ 表記は/24) - デフォルトゲートウェイ(例:
192.168.10.1) - DNS サーバーのアドレス(例:
192.168.10.10) - 社内に プロキシサーバーがあるか(ある場合はその URL)
2. Ubuntu Server 24.04 LTS をインストールする
すでに OS がインストールされた状態でサーバーを受け取った場合は、この章は飛ばしてください。
2.1 インストール用メディアを作る
- https://ubuntu.com/download/server から Ubuntu Server 24.04 LTS の ISO ファイル(約 3 GB)をダウンロードします
- 物理サーバーの場合: Rufus などのツールで USB メモリに書き込みます(8 GB 以上の USB メモリが必要。中身は消えます)
- 仮想マシンの場合: 仮想マシンの設定で ISO ファイルを CD/DVD ドライブとしてマウントします
2.2 インストーラの操作
サーバーを USB(または ISO)から起動すると、青と白の画面のインストーラが立ち上がります。上下キーで選び、Enter で決定します。マウスは使えません。
| 画面 | 選ぶもの |
|---|---|
| 言語 | English を選んでください(日本語は選べません) |
| キーボード | Layout / Variant とも Japanese |
| インストール種別 | Ubuntu Server((minimized) の付いていない方) |
| ネットワーク | この時点では既定のまま進めて構いません(IP の固定は §3 で行います) |
| プロキシ | 社内プロキシがある場合のみ http://プロキシのアドレス:ポート を入力 |
| ミラー | 既定のまま |
| ディスク | Use an entire disk を選び、Set up this disk as an LVM group はチェックしたまま |
| ディスク(確認画面) | 下記の注意を参照 |
| プロファイル | 氏名 / サーバー名 / ユーザー名 / パスワード を入力(後で使うので必ず控える) |
| Ubuntu Pro | Skip for now |
| SSH | Install OpenSSH server にチェックを入れる(重要。忘れると §4 で接続できません) |
| Featured snaps | 何も選ばないでそのまま Next |
ディスク容量の注意: LVM を選ぶと、ディスク全体ではなく一部だけが割り当てられることがあります。確認画面の
ubuntu-lvの容量がディスク全体より明らかに小さい場合は、ubuntu-lvの行を選んで Edit →Sizeを最大値にしてください。この作業を忘れても、後から §5.2 の手順で広げられます。
インストールが終わると Reboot Now が表示されます。USB メモリを抜いてから Enter を押してください。
3. サーバーの IP アドレスを固定する
再起動後、黒い画面に サーバー名 login: と表示されます。§2.2 で決めたユーザー名とパスワードでログインしてください(パスワードは入力しても画面に何も表示されません。そのまま打って Enter)。
現在の IP アドレスと、ネットワーク設定ファイルの名前を確認します。
ip -4 addr
ls /etc/netplan/
ip -4 addr の出力のうち、lo ではない方(ens160 や eth0 など)の行に表示されている名前がネットワークインターフェース名です。控えてください。
ls /etc/netplan/ で表示されたファイル(50-cloud-init.yaml など)を編集します。エディタの操作は付録 Bを参照してください。
sudo nano /etc/netplan/50-cloud-init.yaml
中身をすべて消して、次のように書き換えます。インターフェース名・IP アドレス・ゲートウェイ・DNS は §1 で確認した値に置き換えてください。行頭の空白(インデント)は半角スペースで、ずれると動きません。
network:
version: 2
ethernets:
ens160:
dhcp4: false
addresses:
- 192.168.10.50/24
routes:
- to: default
via: 192.168.10.1
nameservers:
addresses:
- 192.168.10.10
Ctrl+O → Enter で保存、Ctrl+X で終了したら、設定を反映します。
sudo netplan apply
再起動しても設定が戻らないようにします。
echo 'network: {config: disabled}' | sudo tee /etc/cloud/cloud.cfg.d/99-disable-network-config.cfg
反映を確認します。
ip -4 addr
ping -c3 192.168.10.1
ping -c3 8.8.8.8
指定した IP アドレスが表示され、ゲートウェイに応答があれば成功です。外部への ping は社内ポリシーで遮断されている場合もあるため、失敗しても直ちに問題とは限りません。
注意: この設定を間違えるとネットワーク経由で接続できなくなります。その場合はサーバーのコンソール(物理サーバーなら直結したモニタとキーボード、仮想マシンなら管理画面のコンソール)から同じファイルを開いて直してください。
4. 手元の PC からサーバーへ接続する
以降の作業は、サーバーの前ではなくお手元の Windows PC から行えます。
4.1 SSH で接続する
Windows のスタートメニューから PowerShell を開き、次を実行します(ユーザー名 と IP は §2・§3 の値)。
ssh ユーザー名@192.168.10.50
初回のみ Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? と聞かれるので yes と入力して Enter。続いてパスワードを入力します(画面には何も表示されません)。
プロンプトが ユーザー名@サーバー名:~$ に変われば接続成功です。以降の作業はすべてこの画面で行います。
コマンドのコピー&ペースト: 本ガイドのコマンドはコピーして、PowerShell の画面上で右クリックすると貼り付けられます(
Ctrl+Vでも可)。手で打ち直す必要はありません。1 行ずつ貼り付けて Enter を押してください。
4.2 ファイルを送る
後で配布アーカイブや証明書ファイルをサーバーへ送ります。PowerShell(サーバーに接続していない、手元の PC の画面)で次のように実行します。
scp C:\Users\自分\Downloads\ファイル名 ユーザー名@192.168.10.50:~/
~/ はサーバー上の自分のホームディレクトリです。GUI で操作したい場合は WinSCP を使っても構いません。
5. 時刻同期とディスクを確認する
5.1 時刻同期
ライセンスの有効期限判定と監査ログの時刻に使うため、時刻が正しく同期されている必要があります。
timedatectl
System clock synchronized: yes と NTP service: active の 2 つが表示されれば OK です。no の場合は社内 NTP サーバーを指定します(アドレスはネットワーク担当に確認)。
sudo nano /etc/systemd/timesyncd.conf
[Time] の下の #NTP= の行を、# を消して次のように書き換えます。
NTP=ntp.example.co.jp
保存して反映します。
sudo systemctl restart systemd-timesyncd
timedatectl
タイムゾーンを日本時間にする場合は次を実行します(任意)。
sudo timedatectl set-timezone Asia/Tokyo
5.2 ディスク容量
df -h /
Avail(空き容量)が 40 GB 以上あることを確認します。足りず、かつ §2.2 の注意でディスクを使い切っていなかった場合は、次のコマンドで残りを割り当てられます。
sudo vgs
sudo lvextend -l +100%FREE /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
sudo resize2fs /dev/ubuntu-vg/ubuntu-lv
df -h /
sudo vgs の VFree が 0 の場合は割り当て可能な空きがないため、ディスクそのものの増設が必要です。
6. Docker をインストールする
Power Viewer 自社サーバー版は Docker というソフトウェアの上で動きます。
社内プロキシがある場合は、先に次を実行してください(
http://プロキシのアドレス:ポートは §1 で確認した値)。export http_proxy=http://proxy.example.co.jp:8080 export https_proxy=http://proxy.example.co.jp:8080
公式のインストールスクリプトを実行します(数分かかります)。
curl -fsSL https://get.docker.com | sudo sh
インストールできたか確認します。
sudo docker --version
sudo docker compose version
Docker version 24. 以上(例: Docker version 27.3.1)と Docker Compose version v2.17 以上が表示されれば OK です。
毎回 sudo を付けずに使えるようにします。
sudo usermod -aG docker $USER
この設定を反映するには、一度ログアウトして入り直す必要があります。
exit
もう一度 §4.1 の手順で SSH 接続し、動作確認します。
docker run --rm hello-world
Hello from Docker! と表示されれば完了です。
サーバーがインターネットに接続できない場合: 上記のスクリプトは使えません。Docker のオフラインインストールは手順が大きく異なるため、貴社の情報システム部門または弊社サポートにご相談ください。
7. ホスト名(FQDN)を決めて DNS に登録する
利用者がブラウザや Power Viewer からアクセスする際の名前を決めます。IP アドレス(192.168.10.50)ではなく名前(pv-albumdb.example.co.jp)でアクセスできるようにする必要があります。TLS 証明書もこの名前に対して発行します。
- 名前を決めます。例:
pv-albumdb.<貴社のドメイン> - その名前がサーバーの IP アドレスを指すよう、DNS 管理者に A レコードの登録を依頼します(付録 A-1 の文例を使ってください)
- 登録されたら、手元の Windows PC の PowerShell で確認します
nslookup pv-albumdb.example.co.jp
Address: にサーバーの IP アドレスが表示されれば成功です。
DNS に登録できない場合: 各利用者 PC の
hostsファイルに手書きする方法もありますが、利用者全員の PC で作業が必要になり、PC が増えるたびに漏れが発生します。恒久運用には向きません。DNS への登録を強くおすすめします。
8. ポートを開ける
利用者のブラウザとサーバーの間で、80 番(HTTP) と 443 番(HTTPS) の通信が通る必要があります。
8.1 社内ネットワーク機器
サーバーと利用者の間にファイアウォールやセキュリティ機器がある場合は、開放を依頼してください(付録 A-2 の文例)。
データベースのポート(3306)は絶対に開けないでください。 本製品はサーバー内部だけでデータベースに接続します。外部に開放するとデータが危険にさらされます。
8.2 サーバー自身のファイアウォール
Ubuntu の標準状態ではサーバー自身のファイアウォール(ufw)は無効です。次で確認します。
sudo ufw status
Status: inactive と表示された場合は、そのままで構いません(何も設定しなくてもポートは通ります)。
Status: active と表示された場合は、必要なポートを開けます。必ず SSH(22 番)も一緒に許可してください。忘れると自分が接続できなくなります。
sudo ufw allow OpenSSH
sudo ufw allow 80/tcp
sudo ufw allow 443/tcp
sudo ufw status
8.3 ポートが空いていることの確認
セットアップ前の時点で、80 / 443 を他のソフトが使っていないことを確認します。
ss -lntp | grep -E ':(80|443)'
何も表示されなければ OK です。何か表示された場合は、そのソフトを止めるか、別のサーバーを使ってください。
9. TLS サーバー証明書を用意する
管理コンソールはログイン情報を扱うため、HTTPS(暗号化通信)が必須です。そのために「サーバー証明書」と「秘密鍵」の 2 つのファイルが必要になります。
用意のしかたは 3 通りあります。
| 方法 | 費用 | ブラウザの警告 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| ① 社内の認証局(プライベート CA)で発行 | 無料 | 出ない(社内 PC に CA 証明書が配布済みの場合) | 社内 CA を運用している会社 |
| ② 商用証明書を購入 | 有料 | 出ない | 社内 CA がなく、正式な証明書が必要 |
| ③ 自己署名証明書を自分で作る | 無料 | 出る(回避方法あり) | まず動かしたい / 上記が間に合わない |
①②の場合は §9.1 へ、③の場合は §9.2 へ進んでください。
9.1 発行を依頼して入手する
まずサーバー上で「CSR(証明書署名要求)」というファイルを作ります。作業用のフォルダを作ってから実行してください。
mkdir -p ~/certs && cd ~/certs
openssl req -new -newkey rsa:2048 -nodes \
-keyout tls.key -out tls.csr \
-subj "/C=JP/O=Example Corporation/CN=pv-albumdb.example.co.jp" \
-addext "subjectAltName=DNS:pv-albumdb.example.co.jp"
Example Corporation は貴社の英語表記、pv-albumdb.example.co.jp は §7 で決めた FQDN に置き換えてください。実行すると tls.key(秘密鍵)と tls.csr(申請書)ができます。
tls.key は絶対に外部へ送らないでください。 依頼時に渡すのは tls.csr だけです。内容は次で表示できます。
cat tls.csr
-----BEGIN CERTIFICATE REQUEST----- から -----END CERTIFICATE REQUEST----- までを丸ごとコピーし、付録 A-3 の文例に貼り付けて依頼してください。
証明書を受け取ったら(.crt / .pem / .cer などの名前で届きます)、サーバーの ~/certs/tls.crt として配置します(§4.2 の scp で転送)。
-
中間証明書が別ファイルで届いた場合は、サーバー証明書 → 中間証明書の順に 1 つのファイルへ連結します
cat server.crt intermediate.crt > tls.crt -
.pfx/.p12形式で届いた場合は、次の 2 コマンドで変換します(途中でパスワードを聞かれます)openssl pkcs12 -in 受け取ったファイル.pfx -clcerts -nokeys -out tls.crt openssl pkcs12 -in 受け取ったファイル.pfx -nocerts -nodes -out tls.key
§9.3 の確認へ進んでください。
9.2 自己署名証明書を作る(暫定)
正式な証明書が用意できない場合は、自分で証明書を作って運用を開始できます。ただしブラウザに警告が表示されます(後述)。
mkdir -p ~/certs && cd ~/certs
openssl req -x509 -newkey rsa:2048 -nodes -days 825 \
-keyout tls.key -out tls.crt \
-subj "/C=JP/O=Example Corporation/CN=pv-albumdb.example.co.jp" \
-addext "subjectAltName=DNS:pv-albumdb.example.co.jp"
pv-albumdb.example.co.jp は §7 で決めた FQDN に置き換えてください(2 箇所)。
この証明書で起きること: 利用者がブラウザでアクセスすると「この接続ではプライバシーが保護されません」といった警告画面が出ます。「詳細設定」→「アクセスする」で先へ進めますが、毎回表示されます。
通信そのものは暗号化されているため社内の閉じたネットワークでは実用上問題ありませんが、利用者が警告に慣れてしまうという運用上の弊害があります。次のいずれかで解消できます。
- 作成した
tls.crtを利用者 PC の「信頼されたルート証明機関」に登録する(Active Directory のグループポリシーで配布可能) - 後日、正式な証明書に差し替える(§9.4)
9.3 証明書を確認する
cd ~/certs
openssl x509 -in tls.crt -noout -subject -dates
subject= に §7 で決めた FQDN が含まれ、notAfter= の日付が未来であることを確認します。
続いて、証明書と秘密鍵が対になっているか確認します。2 行の出力が完全に同じであれば正しい組み合わせです。
openssl x509 -in tls.crt -noout -modulus | openssl md5
openssl rsa -in tls.key -noout -modulus | openssl md5
秘密鍵は他人が読めないようにします。
chmod 600 tls.key
これで ~/certs/tls.crt と ~/certs/tls.key が揃いました。セットアップガイドの「5. TLS 証明書の配置」でこの 2 ファイルを使います。
9.4 あとから正式な証明書に差し替える
自己署名で運用を始めた後、正式な証明書を入手したら差し替えられます(導入済みのサーバーでの作業)。
cd /opt/rad-onprem
sudo cp 新しい証明書 certs/tls.crt
sudo cp 新しい秘密鍵 certs/tls.key
sudo chmod 600 certs/tls.key
docker compose --env-file onprem.env restart web
データやアカウントには影響しません。
10. 配布アーカイブとライセンスを受け取る
- 弊社会員ポータルにログインし、[契約製品]→ Power Viewer RemoteAlbumDatabase(自社サーバー版)のページを開きます
- 配布アーカイブ(zip) と SHA-256 ファイル をダウンロードします
- サーバーライセンスと Power Viewer ライセンスキーを弊社からの案内メールに従って受け取ります
ダウンロードした zip が壊れていないか、手元の Windows PC で確認します(PowerShell)。
certutil -hashfile power-viewer-remotealbumdb-onprem-1.1.1.zip SHA256
表示された値が、弊社のリリース案内メールに記載の SHA-256 と完全に一致することを確認してください。一致しない場合は使わずにご連絡ください。
サーバーへ転送します(手元の PC の PowerShell)。
scp C:\Users\自分\Downloads\power-viewer-remotealbumdb-onprem-1.1.1.zip ユーザー名@192.168.10.50:~/
サーバー側で、製品を置くフォルダを作って移動します(SSH の画面)。
sudo mkdir -p /opt/rad-onprem
sudo chown $USER:$USER /opt/rad-onprem
sudo apt update && sudo apt install -y unzip
mv ~/power-viewer-remotealbumdb-onprem-1.1.1.zip /opt/rad-onprem/
cp ~/certs/tls.crt ~/certs/tls.key /opt/rad-onprem/ 2>/dev/null || true
cd /opt/rad-onprem
11. 準備完了を確認する
次のコマンドをサーバー上(SSH の画面)で順に実行し、すべて期待どおりであれば準備完了です。
| # | コマンド | 期待される結果 |
|---|---|---|
| 1 | uname -sr | Linux … と表示される |
| 2 | docker --version | Docker version 24. 以上 |
| 3 | docker compose version | v2.17 以上 |
| 4 | free -h | available が 4 GB 以上 |
| 5 | df -h / | Avail が 40 GB 以上 |
| 6 | timedatectl | System clock synchronized: yes |
| 7 | ss -lntp | grep -E ':(80|443)' | 何も表示されない |
| 8 | nslookup <FQDN>(手元の PC で) | サーバーの IP が返る |
| 9 | openssl x509 -in ~/certs/tls.crt -noout -subject -dates | FQDN が含まれ、有効期限が未来 |
| 10 | ls /opt/rad-onprem | zip ファイルがある |
すべて確認できたら、自社サーバー版 セットアップガイドの「3. 配布物の展開と検証」から作業を続けてください(「1. 前提条件」「2. 事前に準備するもの」は本ガイドで完了しています)。
付録 A: 社内への依頼文例
そのままコピーして、<> の部分を置き換えてお使いください。
A-1. DNS 登録の依頼
件名: 【依頼】社内 DNS への A レコード登録(Power Viewer サーバー)
お世話になっております。<部署名> の <氏名> です。
新規に構築するサーバーについて、社内 DNS への登録をお願いいたします。
ホスト名(FQDN): pv-albumdb.<社内ドメイン>
レコード種別 : A
IP アドレス : <サーバーの IP アドレス>
用途 : 医薬品申請資料管理システム Power Viewer のデータベースサーバー
利用者 : <部署名> の <人数> 名(社内からのみアクセス)
ご不明点があればお知らせください。よろしくお願いいたします。
A-2. ファイアウォール開放の依頼
件名: 【依頼】ファイアウォール開放(Power Viewer サーバー)
お世話になっております。<部署名> の <氏名> です。
新規サーバーへの通信許可をお願いいたします。
宛先サーバー : <サーバーの IP アドレス>(pv-albumdb.<社内ドメイン>)
送信元 : <利用者のネットワークセグメント/VPN>
ポート : TCP 80(HTTPS へのリダイレクト用)、TCP 443(本通信)
方向 : 送信元 → 宛先サーバーへの片方向
用途 : 医薬品申請資料管理システム Power Viewer のブラウザ管理画面
およびクライアントアプリからの API 通信
※ データベース用ポート(TCP 3306)の開放は不要です。サーバー内部で
完結するため、外部からの到達は不可のままとしてください。
よろしくお願いいたします。
A-3. サーバー証明書 発行の依頼
件名: 【依頼】サーバー証明書の発行(Power Viewer サーバー)
お世話になっております。<部署名> の <氏名> です。
下記サーバー向けの TLS サーバー証明書の発行をお願いいたします。
コモンネーム(CN): pv-albumdb.<社内ドメイン>
SAN : DNS:pv-albumdb.<社内ドメイン>
鍵長 : RSA 2048 bit
希望有効期間 : <1 年 など>
用途 : 社内向け Web システム(HTTPS)のサーバー認証
CSR を下記に添付(または貼り付け)いたします。
-----BEGIN CERTIFICATE REQUEST-----
<CSR の内容をここに貼り付け>
-----END CERTIFICATE REQUEST-----
発行いただいた証明書は PEM 形式(テキスト)でお送りください。
中間証明書がある場合は併せてご送付をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
付録 B: Linux 操作の超入門
本ガイドの作業に必要な最小限だけを説明します。
画面の見方 — ユーザー名@サーバー名:~$ のような表示を「プロンプト」と呼びます。これが出ていればコマンドを入力できる状態です。~ は現在いる場所(ホームディレクトリ)を表します。
コマンドの貼り付け — 本ガイドのコマンドをコピーし、PowerShell の画面で右クリックすると貼り付けられます。複数行のコマンドは、まとめて貼り付けて構いません。
sudo — 管理者権限で実行するための指示です。初回はパスワードを聞かれます。入力しても画面には何も表示されません(* すら出ません)が、正しく入力されています。そのまま Enter を押してください。
よく使うコマンド
| コマンド | 意味 |
|---|---|
pwd | 今いる場所を表示する |
ls | 今いる場所にあるファイルの一覧 |
cd /opt/rad-onprem | 指定の場所へ移動する |
cd ~ | ホームディレクトリへ戻る |
cat ファイル名 | ファイルの中身を表示する |
exit | 接続を終了する |
テキストエディタ(nano) — sudo nano ファイル名 で開きます。
- 矢印キーでカーソルを移動し、そのまま文字を打てば入力できます(マウスは使えません)
- 保存:
Ctrl+O→ Enter - 終了:
Ctrl+X - 保存せずにやり直したいとき:
Ctrl+X→N(保存しない)と答える
よくあるエラー
| 表示 | 意味と対処 |
|---|---|
command not found | コマンドの綴りが違うか、そのソフトが未インストール |
Permission denied | 権限が足りない。コマンドの先頭に sudo を付ける |
No such file or directory | ファイル名が違うか、いる場所が違う。pwd と ls で確認 |
Connection refused | 接続先でサービスが動いていない。§8 と §11 を確認 |
付録 C: うまくいかないときの切り分け
ブラウザで管理コンソールが開けない場合、上から順に確認してください。原因が絞り込めます。
| # | 確認 | コマンド(手元の Windows PC の PowerShell) | 失敗した場合 |
|---|---|---|---|
| 1 | 名前が引けるか | nslookup <FQDN> | DNS 登録が未完了 → §7 |
| 2 | サーバーに届くか | ping <サーバーの IP> | ネットワーク経路の問題 → §3・§8.1 |
| 3 | ポートが通るか | Test-NetConnection <FQDN> -Port 443 | ファイアウォール → §8 |
| 4 | サービスが動いているか | (SSH でサーバーに入り)docker compose --env-file onprem.env ps | 3 つのコンテナが起動しているか確認 |
| 5 | エラーの内容 | (同)docker compose --env-file onprem.env logs --tail=200 --timestamps | 出力を添えて弊社サポートへご連絡ください |
ping は社内ポリシーで遮断されている場合があります。#2 が失敗しても #3 が成功するなら問題ありません。
解決しない場合は、#5 のログ出力を添えて弊社サポート窓口までご連絡ください。